コラムTanuma Animal Hospital

コラム

ペットがとる行動について

皆さんは、ペットの行動について考えたことはございますか??
動物達は言葉を話すことができません。その為、私たちは動物たちが今どんな気持ちなのかを推察し、対応していく必要があります。
動物たちは動作によって 意志を示そうとしてきます。その中でお互いに敵意がないことを確認しあうことをカーミングシグナルといいます。
ワンちゃんはカーミングシグナルを発する事で、「あなた達に敵意はありません」というメッセージを送ります。それと共に、自分の不安やストレスも和らげ、気持ちを落ち着かせる役割も持っています。
今回はその中のいくつかをご紹介します。
また、ワンちゃんだけでなく、ネコちゃんのカーミングシグナルも一部紹介します。

 

<犬>
■あくびをする
あくびは眠いときと思われがちですが、犬にとってはストレスや不安を抱いたときにも発します。これは自分を落ち着かせるサインです。中には体を掻きながらする子もいます。
また、来院されたワンちゃん達にもよく見れる行動です。

 

■背中やお尻を向ける
この行動は、相手を落ち着かせるためのサインと相手に敵意がないことを示すサインです。怖がっていたり興奮しているワンちゃんに対して人が行う事で、落ち着かせる効果もあります。

 

■地面の臭いをかぐ
他のワンちゃんや人が近づいた時など、緊張したときに見られる行動で、自分自身を落ち着かせようとしているサインです。

 

その他恐怖を感じているときにみられる行動
①前足をあげる
②鼻をペロペロなめる
③耳を頭につける
などがあります。

 

知らない場所に行った時や、慣れない事をした時などにこういった行動がよくみられます。
ワンちゃん達は、カーミングシグナルを犬同士だけではなく、飼い主さんに対しても使い、自分の気持ちを伝えようとします。
飼い主さんがそれに気付かなければ、ワンちゃん達は伝えることを諦めます。
そうならない為にもワンちゃんの行動に興味を持ち、それが何を意味しているか理解することが必要です。

 

<猫>
ネコちゃんは、尾の動きで言葉と同じくらい明確に気持ちを表すことが多いです。

 

甘えたい時:肛門が見えるくらい尾をまっすぐピンとたてて近づいてきます。
攻撃的な気持ちの時:相手を威嚇したり、尾をあげて毛を逆立てます。
怖い時:できるだけ自分を小さく見せようとして、尾を股の間にしまいます。
イライラしてる時:尾を1秒間隔くらいでブンブンと左右に振ります。

 

ネコちゃんにとって飼い主さんは一緒に暮らす仲間ですが、ネコちゃんの祖先は単独生活でした。その中で結ぶ唯一の親密な絆が、母と子の関係だと言われます。
そのため、心を許し合う飼い主さんとネコちゃんとの関係は「母子関係」に例えることも多いのです。そこで、ネコちゃんが飼い主さんに対して行う行動も少し紹介します。

 

■鼻と鼻をくっつける
鼻と鼻を合せるのは、ネコ同士の親愛のあいさつです。自分の鼻を飼い主さんの鼻にくっつけてくるのは「仲良しだね」のサインです。

 

■前足でフミフミする
飼い主さんの体や毛布などを前足でフミフミする行動は、子猫時代の母ネコの乳房を押す行動のなごりです。

 

■布をチュパチュパする
飼い主さんの衣服や毛布などを吸ったり、食べたりする行動は、離乳が早過ぎたネコちゃんに多く見られるもので、甘えというより、不安解消行為です。

 

食べ物をくれる飼い主さんに子猫のように甘えたり、逆に子猫に与えるように虫などを運んでくることもあります。
ネコちゃんは、飼い主さんを食べ物や異性を奪い合うことのない、安心して一緒に暮らせる仲間の一員と見ているのかもしれませんね☆

 

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