コラムTanuma Animal Hospital

コラム

避妊・去勢の手術について

【助成手術について】
当院では、病気の早期予防のため、また、現在福岡で問題となっている犬・猫の過剰繁殖を防ぐため、避妊・去勢手術をオススメしています。

問題行動の改善という面で手術を希望する飼い主さんも少なくありません。

 

早い時期に避妊・去勢手術を行うと、オスなら前立腺や精巣・肛門周囲の腫瘍、メスなら卵巣や子宮・乳腺に起こる病気を予防することができます。
今回は助成制度のお知らせに伴い、避妊・去勢についてお話いたします。

 

*去勢手術*

精巣から分泌されるホルモンによって体に様々な変化をもたらします。

しかし、その変化の中には悪性に作用する場合もあります。中でも多いのが、前立腺疾患です。犬の前立腺は発達がよく、高齢になればなるほど大きくなっていきます。

 

他にも肛門には肛門周囲線といった分泌腺があります。

肛門周囲線が腫瘍化した肛門周囲腺腫も要注意です。肛門周囲腺はしっぽの付け根にあり一般的に未去勢オスで発生し、去勢済みの犬で発症するのは極稀です。

90%は良性の腫瘍ですが、10%が悪性です。転移も起こす事がある危険な腫瘍です。

 

また、「会陰ヘルニア」もホルモンが関係して発症する疾患です。

肛門の両サイドの筋肉が分離して直腸や脂肪、膀胱など臓器が皮下を突き破ってきます。症状が重い場合には早急な手術が必要です。

 

*避妊手術*

避妊手術を行う事で予防できる疾患の1つ目は乳腺腫瘍、つまり乳がんです。

乳腺腫瘍は早期の避妊手術が功を奏します。

 

初回発情(初めての生理)以前に避妊手術を行った場合、発症率はほぼ0%まで抑える事ができます。

しかし、発情を経験すればするほど避妊手術を行っても発生率は上がっていきます。3回以上発情を経験した犬では予防効果が殆どないと言われています。

 

乳腺腫瘍の発生するリスクは否めませんが、完全に予防できる病気があります。それは卵巣、子宮の疾患です。その中でも子宮蓄膿症(パイオメトラ)は致死率が高く、しかも極めて発症率の高い怖い病気です。

 

 

<避妊・去勢を行うメリット>
・若いうちに行っておくことにより病気の予防になります。

 

☆男の子で多い病気
(前立腺肥大症,会陰ヘルニアなど)

 

☆女の子で多い病気
(乳腺腫瘍,子宮蓄膿症など)
・性欲求,性ホルモンによる心身の変化によるストレスからの解放
・猫の場合、発情期独特のニャオーンと大声で鳴く行動がなくなる
・望まない子犬・子猫が産まれない
 …など

 

「子宮蓄膿症」
子宮蓄膿症は、文字通り子宮に膿がたまってしまう病気です。発情期等の抵抗力が落ち気味の時期に子宮に菌が入る事によってこの病気になります。子宮に膿が溜まると子宮内に強い炎症がおこります。

 

膿が蓄積する事によって子宮が破裂してしまうと、子宮内の膿がお腹の中に漏れ出し、腹膜炎や敗血症になり死亡してしまいます。
この病気は子宮に膿がたまっていても動物が元気でいる場合があるため発見が遅れてしまうことがしばしばあります。
遅ければ遅いほど助かる確率は低くなってしまう為、早期発見が重要な病気です。

 

「乳腺腫瘍」
乳腺腫瘍はどの時期に避妊手術をするかが非常に重要とな病気です。
乳腺腫瘍の悪性率は犬で約50%、猫で約90%と言われています。

 

猫の場合、乳腺腫瘍が発生した場合悪性でない確立の方が低いと言われるほどです。
犬の乳腺腫瘍は初回の発情前に避妊手術をした場合、その後の発生率は約0.5%だと言われており、1回目の発情後の場合は8%、2回目の発情後は26%と手術のタイミングが遅れれば遅れるほど発生率が高くなっていきます。
2回目の発情は1歳前後でくることがほとんどだと言われています。(※種類により差があります)
ですので、乳腺腫瘍を予防するためには最低でも1歳前後までに避妊手術をする必要があります。

 

避妊手術を決められた期間内で行うことで死亡率の高い病気にかかる可能性を下げるだけではなく、手術や治療などで動物にかかる負担を取り除く事ができるのです。

 

避妊・去勢の手術が生まれて初めての手術になる子や、生涯の中でたった一度だけの手術になる子もいるかもしれません。元気なのに手術をする事に抵抗のある方もいらっしゃるかもしれません。ですが、先程例にもあげた子宮蓄膿症は死亡率の高い恐ろしい病気の一つです。しかしこの病気は避妊手術をしておくことで100%予防することができます。ですので今後飼い主様とペットが安心して生活していける為にも手術について考えて頂ければと思います。

 

<避妊・去勢を行うデメリット>
・子供ができなくなる
・肥満になりやすい
・全身麻酔による手術のリスク
 …など

 

「かわいい愛犬の子供を見てみたい」と思う方も少なくないと思います。
しかし、発情・妊娠・出産というのは、動物にとって心身ともに大きなストレスがかかり、個体によっては命にかかわる危険な出産となることもあります!

 

また、「健康な体にメスを入れるなんてかわいそう」「自然のままでいさせてあげたい」などのご意見をお持ちの飼い主様もいらっしゃるかと思います。
しかし、手術を受けさせないことの方がかわいそうな事態を引き起こすケースも少なくありません。
歳を取ってから多くみられる子宮蓄膿症、乳がんや会陰ヘルニアなどの病気で苦しんだり、命を落としたりする犬、猫は少なくありません。

 

当院で11月は助成期間となりますので避妊・去勢がまだの方は大切な家族のために一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
ご不明点、手術についてのご相談がございましたらお気軽にスタッフまでお問い合わせください。

 

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