コラム
大型犬と短頭種の好発疾患について
今回は前回ご紹介できなかった、大型犬と短頭種の好発疾患についてご紹介します。
<大型犬に多い病気>
■胃念転
胃念転とは、突然胃がねじれてしまう状態です。
胃がねじれてしまう事により、胃の内容物が食道にも腸にも移動する事ができず、ガスにより胃が膨らんでしまします。さらに胃に分布する血管もねじれて、周囲の臓器や血管も圧迫を受け、全身の血液循環が悪くなり、心臓にも影響を与えます。
症状は、「急激な腹部膨満、嘔吐感、元気がなく呼吸が速い」などが見られます。
※特にグレートデン・ドーベルマン・各種レトリバーなどの胸が深い犬種に多く、食後の激しい運動によって発生すると言われています。このようなワンちゃん達は、食後すぐに散歩に行かないことや、一度に大量の食餌を与える事などに注意してあげて下さい。
処置としては外科的なものになり、放っておくと命に関わる緊急を要する病気なので飼い主様が早期に発見してあげることが重要となってきます!
<短頭種に多い病気>
■短頭種気道症候群
短頭種気道症候群とは、鼻の穴が狭い鼻孔狭窄症、喉頭が反転する喉頭虚脱、気管が細い気管低形成などのいくつもの疾患が複合して起こり、上部気道がふさがってしまう病気です。
症状は、ズーズーという鼻の音、ガーガーという呼吸、あるいは「いびき」などです。
また、気温上昇による浅く速い呼吸、病状の悪化に伴い、唾液を吐いたり、食事を飲み込むことができなくなり、すぐ疲れて座り込むようになります。原因は、品種改良で独特な鼻の短い犬種を作ってしまったことにあり、その過程で、気道の構造や呼吸器に異常が出てきてしまったと言われています。
治療は、気管支拡張剤を投与する内科的治療を行います。
このようなワンちゃん達には日頃から気管に負担をかけない事が大切です!
首輪よりも胴輪にしてあげたり、気温などに注意してあげて下さい。
今回あげたものは、ごく一部でまだまだたくさんの好発疾患があります。
飼い主様が知って、日頃から注意してあげる事で防げる事もありますので、是非参考にして頂ければと思います。何か気になる事がありましたら、お気軽にご相談ください☆
ちなみにネコちゃんの好発疾患は「腎不全」で、多飲多尿・嘔吐・食欲元気がないなどの症状がでます。この病気は、定期的な健康診断で早期に発見ができる病気です。
私たちスタッフも猫を飼っているので、定期的な健診で少しでも長生きしてもらえるようにと思っています。