コラムTanuma Animal Hospital

コラム

外耳炎・熱中症について

最近診察で多くみられる外耳炎についてです。
暑く雨の多いこの時期、被毛が湿っていて、細菌が繁殖しやすいことが原因で皮膚の疾患が増えてきます。その中でも最近多くみられるのが外耳炎です。
外耳炎は猫に比べ、犬によく見られ、最も多い来院理由の1つです。

 

耳に炎症が起きた状態を総じて耳炎といいますが、炎症の及んでいる範囲によって外耳炎・中耳炎・内耳炎と呼び分けます。一般的に耳炎は、外耳炎から始まり、これが悪化すると中耳炎、内耳炎と進行し、重症化すると脳炎を起こしてしまうこともあります。

 

~耳の構造~
耳は音を伝達・感知する部分と、体の平衡感覚に関わる部分からなります。解剖学的には外耳・中耳・内耳の3つの領域に分かれます。
犬の耳介は、柴犬やシベリアンハスキーの様な直立耳、ゴールデンレトリバーやキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのような垂れ耳、グレーハウンドの様なバラ耳など犬種によって大きさや形が異なります。

 

~外耳の構造~
外耳は、耳介・外耳道からなります。
耳介は、柔らかい軟骨の表面を皮膚が覆った構造をしています。
外耳道も大部分は軟骨で形成されていますが、鼓膜に面する部分は骨(側頭骨)からなっています。また、入り口から下方向に伸びる垂直耳道と、垂直耳道からL字状に約75°曲がって側頭骨側に向かう水平耳道と分かれます。
外耳道の表面は耳介から続く皮膚で覆われ、耳毛や(皮)脂腺、耳垢腺などの分泌腺を含み、これらの腺から分泌物の混合物が耳垢となります。

 

<症状>
・耳介が赤くなる、腫れる
・耳が臭くなる
・耳掃除してもすぐに耳垢が溜まってくる
・粘液や、クリーム状の耳だれが出ている
・しきりに頭を振る、掻く
・顔や耳に触れられるのを痛がる、嫌がる
などがあげられます。

 

<原因>
・細菌や寄生虫などによる感染症やアレルギー
・耳の中の毛などの異物
・水遊びやシャンプーでの水の混入
・高温多湿な環境
などがあげられます。

 

<耳の病気になりやすい子の特徴>
・ダックス・コッカーなどの耳がたれている犬種
・プードル・シュナウザーなど耳に毛が生えやすい犬種
・柴犬・短頭種など耳の穴が狭い犬種
に多く見られます。

 

ひどくなると耳の穴を広げる手術が必要になる事もあるため、耳のチェックやお手入れをこまめに行ってあげましょう!間違ったお手入れを行うと耳垢を奥に押し込んでしまったり、耳の中を傷付けてしまって悪化する事もあるので注意しましょう。
当院には耳専用の洗浄液を置いております。お手入れの方法で分からない事があればお気軽にご相談ください♪

 

 

次に熱中症についてお話します。

<熱中症とは>
熱中症とは暑さにより体温調節が出来なくなる機能障害のことです。夏場の6月~8月が最も多い時期です!
体温も気温や湿度の上昇につれて上がりますが、健康であれば体の調節機能が働き、体温を一定に保つことができます。
ところが気温が体温より高く、湿度で熱の発散効率が下がると体温調節がうまくいかなくなってしまいます。そうなると体温の上昇が押さえらなくなり、症状が重くなると脳や内臓に大きなダメージを受けてしまいます。

 

<原因>
熱中症は高温多湿な状態に長時間おかれたことで起こります。原因として多いのは以下の場合です。

 

●蒸し暑い日に車内での留守番
犬の熱中症の原因でもっとも多いのが、車内での留守番です。日差しの強い日中、エアコンをつけずに停車した車内は、熱がこもり温度が急上昇します。そのような車内では、たった数分で熱中症になってしまうことがあります。エアコンの代わりに窓を少し開けたとしても換気が十分ではない上、不慣れな車内での留守番に犬が興奮し、発症してしまうこともあります。

 

●閉め切った室内での留守番
エアコンをつけていない室内での留守番も、熱中症の原因となります。閉め切った室内では、想像以上に室温が高くなり、直射日光が室内に入り込む状態や、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態での留守番は危険です。また、エアコンをつけているからといっても油断はできません。日のあたりやすい場所で留守番させるような場合には、エアコンの効きめが弱く、熱中症になる危険があります。

 

●蒸し暑い日や時間帯に散歩に連れ出す
蒸し暑い日中のお散歩も、熱中症の原因となります。真夏のアスファルトの上は50℃近くに達します。
地面近くを歩く犬は照り返しによる放射熱を受けやすく、一緒に歩く人間の想像以上に暑さの影響を受けるので、肉球をやけどする危険性もあります。

 

<症状>

初期~中期の熱中症の症状
・呼吸がはげしくなる
・食欲不振、水を飲まなくなる
・発熱
・よだれが大量に出る
・歯肉が赤くなったり目が充血したりする
・頻脈(心拍数の増加)等

 

重篤化した熱中症の症状
・虚脱状態になる
・下痢・嘔吐・ふるえを起こす
・意識が消失する
・けいれん発作を起こす
・ARDS(急性呼吸促迫症候群)やDIC(播種性血管内凝固症候群)になる 等

 

<応急処置>

・首、脇、後肢の付け根を冷やす
・涼しい場所に移動させる
・水を飲ませる(無理やり飲ませると誤飲の恐れがある為注意しましょう)等

 

熱中症は多臓器機能障害を引き起こすおそれがあるため、様子が落ち着いたように見えても臓器がダメージを受けていて翌日急変することもあります。そのため、動物病院の受診をおすすめいたします。

 

<熱中症になりやすい子の特徴>
・ハスキーなど寒い地方原産の犬
・パグなどの短頭種
・大型犬
・肥満犬や老齢・若齢の犬
などがあげられます。

 

<対処方法>
・室内の換気や空調に気を付ける
・お家でお留守番させる場合は、エアコンをつけてあげる
・お散歩する際は、朝の気温が上がる前や、夜アスファルトの路面の温度が下がってからにする 等

 

熱中症は早期発見・早期治療が大切です!

 

もし異変に気づいたら…
まずは涼しい場所に移動し、冷水で体を濡らす、濡れたバスタオルでくるむ、冷風をあてるなどし、体を冷やします。
※氷を首・脇・内股にあてると効果的に体温を下げることができます。もし意識があればお水を飲ませましょう。症状が軽く、すぐに回復したように見えても、その後悪化する事もあるので病院への受診をお勧め致します。

 

<予防>
・日中の散歩を避ける
・散歩時にこまめにお水を与える
・気温の高い中で激しい運動を避ける
・留守番をさせるときの室温に注意する
・外飼いのワンちゃんの居場所は、日陰や風通しの良い場所にする

 

室内・室外にかかわらず、動物達にとって過ごしやすい環境作りをし、熱中症にならないように注意してあげて下さい☆
少しでも様子がおかしいようなことがございましたら、当院までご連絡ください。

 

当院の手術実績一覧

診療案内・各種サービス / service

  • 診療カレンダー
  • ペット検診
  • 歯科診療
  • ワクチン接種
  • 小型犬・猫の橈尺骨骨折
  • ペットホテル
  • トリミング(grooming garden)
  • 犬の病気・猫の病気大辞典

コンテンツ / contents

  • スタッフコラム
  • グッズ・商品紹介
  • トリミング掲示板
  • パピー教室
  • 輸血犬募集
  • 求人情報
  • T-POINTが貯まります。