コラム
うつる or うつらない皮膚の病気について
今回はうつるorうつらない皮膚の病気についてのお話です。
最近は梅雨が明けてすぐの為、湿気が梅雨の名残でまだまだ多く、ジメジメした環境のせいで皮膚の病気で来院される方を多く見られます。
そんな中で時折「これって人にもうつりますか?」というご質問を受けます。
そこで今回は人にうつるorうつらない皮膚の病気についてお話したいと思います。
「うつるorうつらない皮膚の病気について」とお話ししましたが、皮膚の病気と一言に言っても色々な病気があります。
ですので、その中でも代表的な「膿皮症・マラセチア皮膚炎・ニキビダニ症・皮膚糸状菌症・疥癬・ノミアレルギー性皮膚炎」に絞って分類したいと思います。
<人にうつらない病気>
人にうつらない皮膚の病気は「膿皮症・マラセチア皮膚炎・ニキビダニ症」です。
基本的に犬の皮膚病で犬同士で接触してもうつることはありません。
<人にうつる病気>
人にうつる皮膚の病気は「皮膚糸状菌症・疥癬・ノミアレルギー性皮膚炎」です。
うつると言っても「皮膚糸状菌症」と「疥癬・ノミアレルギー性皮膚炎」は少し違いがあります。
「皮膚糸状菌症」
皮膚糸状菌とはいわゆるカビです。人はもちろん犬・猫どちらにも感染します。
人が感染すると「リングワーム」と言われる円形の湿疹が出ますので、症状が出た場合皮膚科の受診をお勧めします。
犬・猫の症状は「脱毛・フケ・紅斑・痒み」があり、顔面・耳・マズル・足先・尻尾等に症状が出ます。
お薬での治療となりますが通常の皮膚病より長めにお薬を飲む必要があります。
また感染している子の毛やフケに菌がいますので、お家に落ちている毛やフケをしっかり掃除して消毒をしておかないと、再発や人や同居の子への感染を繰り返す可能性がありますので注意が必要です。
「疥癬・ノミアレルギー性皮膚炎」
疥癬・ノミアレルギー性皮膚炎は、疥癬だとイヌセンコウヒゼンダニ・ネコショウセンコウヒゼンダニ、ノミアレルギー性皮膚炎だとほとんどの場合ネコノミが原因で起こる皮膚炎です。
ノミ等の唾液に対するアレルギーが引き金で症状が起こり強い痒みを引き起こします。
人に完全に寄生する事はありませんが、一時的に寄生することは出来ますので、その際にノミ刺傷等皮膚に症状が出る事があります。
ノミアレルギー性皮膚炎については、ノミが吸血する際体内に入る唾液に反応し起こる為、ノミダニの駆虫をすることで予防が可能です。
当院では、スポットタイプと食べるタイプのノミダニの駆虫薬を取り扱っておりますので、お気軽にスタッフまでお問い合わせください。
また、寒い冬は本来ノミが活動できる温度ではありませんが、暖房などで室内が温かくなるためノミが生存し続けますので、室内で生活するワンちゃんも1年中の予防をおすすめします。